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『ヴェニスの商人』を読んで

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『ハムレット』が想像以上に面白かったので、本棚に積まれていた『ヴェニスの商人』も読んでみた。ただ前者が悲劇だったのに対して、後者は喜劇として扱われている作品である。

あらすじをざっくり言うと、貿易省のアントーニオは友人のために、高利貸しのシャイロックから自分の胸の肉1ポンドを担保に金を借りる。しかしアントーニオは降りかかった災難により返済することができず、物語はクライマックスの「人肉裁判」へと進んでいく……。(※喜劇です)

ひとことで言うなら終盤に大逆転がある、王道ストーリー。ただ現代でウケる作品が「叙述トリック」を駆使したものだったり、あえて余韻を残すものだったりすることが多い中で、逆に王道であることが新鮮にさえ感じる。巻末の解説に「物語が単純であるほど繰り返し見ても飽きない」と訳者が述べているが、『ヴェニスの商人』はまさにそんな普遍的な良さを感じさせてくれる作品だ。

『ハムレット』もそうだったが、シェイクスピアの作品は時に論争を巻き起こすのが興味深い。この『ヴェニスの商人』も例外ではなく、Wikipediaからもそれを見て取れる。

論争の種のひとつにシャイロックの存在がある。作中では彼は悪役には違いないのであるが、同時に非常に魅力的なキャラでもある(と思う)。この作品は喜劇であるわけなので、悪役の彼は当然ながら悲劇的な結末をたどる。だが中にはこのシャイロックを気の毒に思う人もいるらしく、さらにはこの作品をむしろ「悲劇」なのではないか、と捉える人もいるらしいのだ。ちなみに自分もシャイロックに少し同情してしまった人間のひとりである。

こういった「喜劇派VS悲劇派」の論争を始め、文中にはユダヤ人を差別的に扱う内容が多いことから「人種差別」などの問題にまで発展している。ただこういった論争が起きるのは作品自体にそういった要素が強いというわけではなく、それだけこの作品が多くの人の間で長年愛されてきたからなのだと思う。それだけ色々な価値観に晒されてきた作品ということだろう。

文学作品(正確には戯曲だけど)でありながら、読後にここまで様々なことに思いを馳せさせる奥深さがシェイクスピアの作品が持つ偉大な部分なのだろう。先日、ブックオフで『ロミオとジュリエット』と『十二夜』を買ったので、気が向いたらまた読んでみよう。下手なビジネス書やベストセラー小説を読むよりも、よっぽど実りがあると思う。

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